【老眼世代におススメ】『大きな字の国語辞典』|見やすい特色を徹底解説
こんにちは、Umekoです。
出版関係で30年働いた編集者で、得意ジャンルはビジネス・自己啓発書です。
60歳でブログをスタート、複数の「副業」にもチャレンジしています。
年齢を重ねると、スマホや本、飲食店や居酒屋のメニューなど、手元の小さい字が見えづらくなってちょっと困りますよね。
例えば文書を作成しているとき、こんなことはありませんか?
「国語辞典」でサクッと確認したいけれど、最近見えづらくなって不便だなぁ
今回の記事では紙メディアで働いてきたシニア世代の私が、老眼世代にも使いやすいデカ文字 国語辞典をご紹介します。
老眼世代に最適!『大きな字の常用国語辞典』(学研プラス)|特色を徹底解説
とにかくサクッと漢字を確認したい。
こんな老眼世代のニーズにマッチした国語辞典が『大きな字の常用国語辞典 改訂第5版』(学研プラス)です。
自分が30代のころ、職場の大先輩方が原稿を読むのにメガネを下にずらしたり頭に載せたりしているのを見て、「やだぁ、カッコ悪い!」などと言っては叱られていたものです。
しかし気づけば自分もアラ還。手元のペーパーを見ながらパソコン作業をしているときなど、メガネを上げたり下げたり……。あらら~、かつての先輩方とすっかり同じ行動をしているのでした。
そんなある日のこと、書店で平積みになっていた『大きな字の常用国語辞典』を偶然に見つけました。
これはいい!
これなら、字が見やすい!
こう思ってすぐ購入して以来、座右の辞典となっています。
『大きな字の常用国語辞典 改訂第五版』(学研プラス)
石井庄司(編)
・判型:A5変型(12.5×21.2×3㎝)
・頁数:912ページ(1色刷り)
・収録語数:約3万6800語
・定価:2,750円 (税込)
『大きな字の常用国語辞典』の最大の特色は、なんと言っても「見出し語が大きな字なので確認しやすい」ということです。
意味を調べるために使うのではなく、漢字の確認をするために使う国語辞典なのですね。
疑問が出るたびに国語辞典で確認する習慣をつけると、語彙力・漢字の知識・表現力など、独自のライティング力が自然とアップします。
しかし老眼世代になって、国語辞典が見づらくなると確認が面倒になります。メガネをかけたりはずしたりが記事作成の集中力の邪魔になることもあるかもしれません。
われわれ世代だって、まだまだ成長したい。だから、見やすい「国語辞典」が必要なんですよね。
今や、デジタル時代。
紙の国語辞典はほとんど使わない。ネットで十分。
国語辞典は持っているけれどホコリをかぶっているよ、という人も多いでしょう。
私も、言葉の意味や表記をインターネットで調べることもあります。
けれど、手元の国語辞典でサクッと調べたほうが早い。
こう思うことが多いので、大きな字の国語辞典を見つけたとき、「こんな辞典が欲しかった!」とうれしくなりました。
それでは、『大きな字の常用国語辞典』を使って実感している[5つの特色]をご紹介します。
特色 「白い紙に大きな文字」だから見やすい
「旧版と比べ、文字が120%に拡大!文字がさらに大きくなって読みやすくなった」とコピー文で紹介されています。
そこで、活字のサイズを測ってみました。
見出し語の平仮名の活字(太目の明朝)は10.5ポイントくらいでした。
Wordのデフォルトのサイズと同じで約3.7㎜ですから、なじみのあるサイズでしょう。
漢字項目(常用漢字、人名用漢字、日常よく使われる漢字など3,300)の活字(明朝)は、少し大きい11ポイント(約3.88㎜)くらいでした。
本文用紙が白いのも特色のひとつで、文字が見やすくなっている要素のひとつだと思います。
特色 語数を絞り「大きな文字」「使いやすい体裁」を両立
収録語数は、ほかの国語辞典と比較すると少なめの約3万6800語となっています。
思い切って語数を絞ることにより、「大きい文字」かつ「使いやすいサイズ」という両方の条件を満たすという編集意図がわかります。
特色 解説文は徹底的に平明簡潔
解説文はきわめて平明簡潔、「大きな字で見やすく、書くときに役立つ」目的に徹しています。
どれくらい平明簡潔かというと、例えば「誠心」を引いてみます。
せいしん【誠心】 まごころ。 sincerity
『大きな字の常用国語辞典 改訂第五版』(学研プラス)
「え、これだけ?」と驚くくらいシンプルです。
意味まで調べたいときには、別の国語辞典を併用するようにしています。
特色 お礼や謝罪の手紙を書くときに役立つ便利情報あり
お礼や謝罪など、急に手紙を書かなくてはいけない必要に迫られることもあるでしょう。
そんなときに役立つ便利な情報が掲載されているのも、この国語辞典の大きな特色のひとつです。
巻末に「手紙の書き方」「時候のあいさつ」「文例」「敬語の使い方」などが紹介されています。何かと迷う手紙の書き方の参考になるかと思います。
「くずし字ペン字見本」「漢字の筆順」などは、久しぶりに紙の手紙を書くときなどに役に立つでしょう。
特色 特大ルーペの付録つき
面白いのは「大きな字でも見づらい人向け・特大シートレンズ」が付録で付いていることです。
辞書に付録とは、さすが学習教材の学研さんです。
小学生のころに購入した付録付き学習雑誌を思い出しました。
ストレスなく国語辞典を使えれば、効率的に記事作成を進められると思います。
大きな文字の大型「国語辞典」【3選】|特色を徹底解説
通常の国語辞典を、「そのまま大きな文字で読みたい」という方もいらっしゃるでしょう。
いくつかの国語辞典は、通常版を拡大した大型本が出版されています。補足情報として「大きな文字の大型『国語辞典』3選」の概要と特色をお伝えさせていただきたく思います。
大型版「国語辞典」は目が疲れやすい世代にとって、読みやすさが断然違います。
パラパラとめくっていると「おや?」という語に偶然出合えて興味がわき、ついつい読んでしまうという利点もあります。それで、自然と語彙力が増えていくわけですね。
ただし、難点があるとすれば重さです。
何しろ重さがある大型本なので、片手に持ってパラパラめくるというわけにはいきません。
ご心配のある方は、書店か図書館などで実際に手に取ってから、購入をご検討されてもいいかもしれません。
それでは、この3冊の大型「国語辞典」の概要と特色を順番にご紹介していきましょう。(*大きさ以外の特色は通常版と共通となります)
『大きな活字の新明解国語辞典 第八版』(三省堂)
日本でいちばん売れている小型国語辞典が『新明解国語辞典』です。
その1.5倍の大きさの大型本が、『大きな活字の新明解国語辞典 第八版』です。
『大きな活字の新明解国語辞典 第8版』(三省堂)
山田忠雄、倉持保男、上野善道、山田明雄、井島正博、笹原宏之 (編)
判型:B5判(19×26.5×5.6 cm)
頁数:1,792ページ(1色刷り)
収録語数:約7万9000語
定価:5,720円(税込)
それでは、『大きな活字の新明解国語辞典 第8版』の[4つの特色]をご紹介します。
特色 大きい文字で見やすい
『新明解国語辞典』標準版はB6判ですから、倍の大きさ(B5判)となっています。
文字も約1.5倍に拡大されているので、大きな文字で見やすくなっています。
特色 収録語数は約7万9000
第8版では「歩きスマホ」「クラスター」「ミニマリスト」など、時代に即した新語・新項目が約1,500語増補されて、収録項目数は約7万9000となっています。
特色 語釈がていねいでユニーク
『新明解国語辞典』の最大の特色のひとつは、語釈がていねいでときにユニークだということでしょう。
例えば、さきほど『大きな字の常用国語辞典 改訂第五版』で引いてみた「誠心(せいしん)」を『新明解国語辞典』でも引いてみます。
せいしん【誠心】
うそ・いつわりの無い心。「―誠意〔=まごころをもって〕事に当たる」
『大きな活字の新明解国語辞典 第8版』(三省堂)
このように用例もまじえて解説されています。
もうひとつ、「凡人(ぼんじん)」を引いてみます。
ぼんじん【凡人】
自らを高める努力を怠ったり、功名心を持ち合わせなかったりして、他に対する影響力が皆無のまま一生を終える人。〔家族の幸せや自己の保身を第一に考える庶民の意にも用いられる〕
『大きな活字の新明解国語辞典 第8版』(三省堂)
この語釈を読むと、「もっと努力して誰かの幸せに貢献しなくては、凡人で一生が終わってしまう!」と、思わずわが身を振り返ってしまうインパクト。脳天にくさびが打ち込まれるくらい「凡人」という言葉への理解が深まり、印象に残ります。
このような、ときにはユーモアあふれる語釈と用例が、熱烈なファンから支持されている大きな要因でしょう。
さらに、「凡人(ぼんじん)」の隣の語は「ポン酢(ポンず)」です。思わず目に飛び込んできて、用がなくてもついつい読んでしまいます。
ポンず【ポン酢】〔オ pons の日本語形〕
水炊きのつけ汁などにする、ダイダイのしぼり汁。[表記]「ポン酢」は、借字。
『大きな活字の新明解国語辞典 第8版』(三省堂)
オランダ語のponsがポン酢として定着したのだと、初めて知りました。このような偶然の言葉との出合いは、紙の辞書ならではのメリットのひとつかもしれません。好奇心が刺激されて、楽しくなります。
特色 人前で話すときに役立つ「標準的アクセント表示」
ZOOMミーティングやプレゼンテーション、YouTube運営など、人前で話す機会が増えていますよね。そんなとき、役立つのが9万を超える標準的アクセント表示です。
見出し語に、東京語を基礎とする標準的なアクセントが示されています。
これは、「アクセント辞典を上回る9万を超えるアクセント表示」(公式サイトより)なのだそうです。
アナウンサーの方なども参考にされることがあるようですし、人前で話す機会の多い方にも役立つ情報だと思います。
『大きな活字の三省堂国語辞典 第八版』(三省堂)
初版発行は1960(昭和35)年というロングセラー、『三省堂国語辞典 第八版』の大活字版が『大きな活字の三省堂国語辞典 第八版』です。
同じ三省堂から発行されている『新明解国語辞典』と「どう違うの?」
こう思われる方もいらっしゃるでしょう。
この2冊を比較すると、編集方針の違いが見られます。
『新明解国語辞典』の「一つひとつの語釈がていねい」という特徴に対して、『三省堂国語辞典』は「新しい言葉を中心に編集されている」「一つひとつの語釈が簡潔」という特徴が挙げられるでしょう。
また、『大きな活字の新明解国語辞典 第8版』の本文は1色刷りですが、『大きな活字の三省堂国語辞典 第八版』は通常版と同じ2色刷りとなっているのも特色です。
『三省堂国語辞典』は学習用途も視野に入れて編集された国語辞典ということもあり、とにかく「わかりやすい」という印象が強いです。
『大きな活字の三省堂国語辞典 第八版』三省堂
見坊豪紀、市川孝、飛田良文、山崎誠、飯間浩明、塩田雄大 編
・収録語数:約84,000
・頁数:1,760ページ(2色刷り)
・サイズ:B5判(19×26.5×6.3 cm)
・定価:6,050円(税込)
それでは、『大きな活字の三省堂国語辞典 第八版』の[4つの特色]をご紹介します。
特色 大きい文字で見やすい
普通版(A6変型判)が141%に拡大されていて、約10ポイント(約3.53 mm)の文字となっているそうです。実際に見ても読みやすくなっています。
特色 新しい言葉が多く収録されている
『三省堂国語辞典』の特徴は、新しい言葉を中心に編集されていることです。
収録項目数は約84,000。新聞、雑誌、書籍、放送、インターネットだけでなく、個人の談話や文章、街中からもことばを集めて収録の検討がおこなわれているそうです。
「エルニーニョ」「オーイーシーディー(OECD)」「顔文字」などの時代を映す言葉も、社会常識語として収録されています。
たとえば、「草」を引いてみます。
植物の「草」の解説のあとで俗語の解説、使用例と由来が示されています。
くさ【草】
(中略)〔俗〕思わず笑ってしまう。草。「留年しそうでー」〔2010年代からのことば。多く、インターネット上の文章で使う〕[由来]笑いの表現[www]が草原の形に似るから。(略)
『三省堂国語辞典 第八版』(三省堂)
このように解説してあると、アラ還の私も若い人たちをマネしてちょっと使ってみたくなります草。
特色 簡潔な語釈
意味を説明する解説文は、簡潔になっています。
「ぼんじん(凡人)」を引いてみましょう。
ぼんじん【凡人】(名)
『三省堂国語辞典 第八版』(三省堂)
①ふつうの人。「偉大(いだい)なるー」 ②つまらない人
同じ出版社の『新明解国語辞典』と比べて、どれだけ簡潔な語釈にしているかがおわかりいただけると思います。
このことからも、一つひとつの語釈は簡潔に解説しながら、現代の新しい語の収録に力を入れている編集姿勢を理解することができます。
特色 アクセントの表示
代表的なアクセントが記号で表示されています。
『大きな文字 二色刷り 明鏡国語辞典 第三版』(大修館)
大修館から発行されている『明鏡国語辞典 第三版』の大活字版が『大きな文字 二色刷り 明鏡国語辞典 第三版』です。
『明鏡国語辞典』は「語彙力」を養うための辞典として改訂が重ねられてきました。
第三版では、あらたまった言い方がわかる「品格」欄が設けられるなど、更なる工夫が加えられています。
『大きな文字 二色刷り 明鏡国語辞典 第三版』(大修館)
北原保雄 編
・収録語数:約7万3000
・頁数:1,922ページ(2色刷り)
・並製・函入
・サイズ:B5判(19×26.5×6cm)
・定価:6,710円(税込)
それでは、『大きな文字 二色刷り 明鏡国語辞典 第三版』の[4つの特色]をご紹介します。
特色 大きい文字で読みやすい
通常版(B6判)と比べて文字が約1.5倍に拡大されていて、見出し語、解説文ともにゴシック体が採用されているのも特色です。
また、画数の多い漢字はズームアップ(拡大表示)されているので、見やすくなっています。
特色 言葉の正しい使い方、誤用もわかる
この使い方で合っているのかどうか、言葉の使い方に自信がないときはありませんか。
『明鏡国語辞典』の特色のひとつに、言葉の正しい使い方の解説があります。
「うずく」という言葉があります。「心の傷がうずく」というように使いますよね。
では、「アニメ好きの血がうずく」という言い方は使ってよいのか?
こう疑問に思ったら、「うずく」を引いてみます。
うず・く【▸疼く】
(中略)[✓注意]「うずうず」から連想して、心が落ち着きを失う意で使うのは誤り。「血が騒ぐ」との混同。||「×アニメ好きの血がうずく」(略)
『明鏡国語辞典 第三版』(大修館)
*注 [▸疼]は常用漢字表にない漢字
誤用など特に注意が必要なものには語釈の後ろに[注意]が示されています。
また、多くの用例も掲載されています。
「アニメ好きの血」は「うずく」のではなく「騒ぐ」わけですね。
用例をまじえた解説を読むと、言葉の正しい使い方が理解できます。
特色 「恥ずかしくない大人の言葉遣い」がわかる
この国語辞典の特色のひとつとして、さまざまな表現に役立つコラムの掲載が挙げられます。
ビジネスシーンや改まった場面で、どんな言葉を使えばいいのか迷うときはありませんか?
恥ずかしくない言葉の使い方がわかるのが、品格欄というコラムです。
例えば、「どや顔」というのは会話で使うことがありますが、このニュアンスを改まっった表現にするには、どう言い換えればいいのかな?と思うとします。
こう疑問に思ったら、「どやがお」を引いてみます。
どや-がお【どや顔】[名]〔新〕
いかにも誇らしげな顔つき。したり顔。得意顔。||「成功にーをする」▷「どや」は「どうだ」の意の関西弁。品格 したり顔「当選したとーで話す」 時を得顔(えがお)「昇進がかない、ーに振る舞う」
『明鏡国語辞典 第三版』(大修館)
*注)▷「どや」の▷印は中黒の二重三角で掲載されており、意味が一つである項目の解説で用いられている。
「『したり顔』と言い換えればいいのかな」と知ることができます。
品格のある言い方が用例とともに記されているので、語を調べると同時に語彙力アップにもつながっていきます。
特色 解説が充実しているので「言葉の表現」が広がる
言葉の知識や表現方法などが、関連する項目の近くにまとめられているのも、この辞書の大きな特色となっています。
日本の文化には脈々と受け継がれてきた美しい言葉がたくさんあります。
例えば、「甍(いらか)」と「屋根」、「火鉢」と「いろり」などという言葉があります。
その違いを改めて考える機会はあまりないかもしれません。しかし、この辞典では日本文化にかかわる言葉を比べて解説しているミニコラムが掲載されているので、表現を広げる知識を得ることができます。
まとめ
今回の記事では、疲れ目世代も見やすい『大きな字の常用国語辞典 改訂第5版』(学研プラス)と大活字版の大型国語辞典3選をご紹介しました。
国語辞典を上手に活用すれば、日々のお仕事や文章作成作業のなかで、自然と語彙力を高め、表現の幅を広げることができるでしょう。
感情の細部を洞察する表現は、これからの時代に独自性のある文章を作成するうえで、重要な要素となってくると思います。
見やすい国語辞典をストレスなく活用して、記事力アップにつなげていただければと思います。
国語辞典は、何年かごとに改訂版が出されています。
そのたびに、各社各様の編集と工夫が加えられて、どんどん進化しています。
「自分が子どものころの国語辞典とはずいぶん違うな」と感じます。
今回の記事で紹介しただけでなく、それぞれの特色がまだまだたくさんあります。
機会があれば、ぜひ手に取って見ていただけたらと思います。
新しい発見が得られるかもしれません。
また、
また言い換えに役立つ『品格語辞典』『類語辞典」について、別の記事で紹介しています。
こちらも参考にしてみてください。
今回の記事が、少しでも皆さまのお役に立てばうれしいです。
それではまた、お目にかかりましょう。
資料・参考文献
Gakken 公式サイト https://www.corp-gakken.co.jp/
三省堂(出版)公式サイト https://www.sanseido-publ.co.jp/
大修館書店 公式サイト https://www.taishukan.co.jp/
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