小田原文学館に行ってみた!|天才詩人・北原白秋に出会う近場プチトリップ

こんにちは。シニア女子、Umekoです。
出版関係で30年以上、企画編集者として働いてきました。
60歳でブログをスタート。
好きなことをしながら自由に生きる方法を探索中の、シニアネクストです。
てくてく散歩は大好きな趣味のひとつです。
小田原は東京都内からアクセスもよく、日帰りプチ旅行できる素敵な町です。
町のまん中には小田原城があり、公園になっています。

小田原は戦国時代に後北条氏の「城下町」として発展し、江戸時代には「宿場町」として栄えました。
明治時代になると政財界人や文化人たちが別荘や居住した歴史ある街です。
明治から昭和にかけて、多くの文学者が住んでいたそうです。
海も山も近く、気候は温暖で、おいしい食べ物もいっぱい!
今日は、シニア女子の皆さんにおススメしたいお出かけスポット、
小田原文学館(https://www.city.odawara.kanagawa.jp/public-i/facilities/literature-museum/bungakukan.html)をご紹介します。
小田原文学館はこのような方にお勧めしたいです。
- 歴史ある小田原の趣ある建物で静かな時間を過ごしたい方
- 明治から昭和にかけての文学者の雰囲気に触れてみたい方
- プチトリップで気分転換したい方
それでは早速、ご紹介してまいりましょう。
風情ある小路に佇む「小田原文学館」
趣あるスペイン風洋館「小田原文学館」
「小田原文学館」は、小田原駅・東口を出て徒歩約20分。
西梅子(さいかち)小路にあります。

西梅子小路は武家屋敷が集まっていた風情のある小路です。
明治時代には有名人の豪邸が立ち並んでいたようです。
谷崎潤一郎や北原白秋など、多くの文学者も移り住んでいました。
この路を散歩しながら過ぎた時代に思いを馳せると、セレブリティ気分になりました。
西梅子小路は桜並木が整備されています。
町の方が教えてくれたのですが、春の桜の時期は桜のトンネルがそれはそれは美しいそうですよ!
「小田原文学館」は本館と別館「白秋童謡館」、それから「尾崎一雄邸書斎」で構成されています。
本館、別館の建物は国の登録有形文化財に指定されています。
正門から入り、本館から見学しました。
「小田原文学館・本館」の建物は明治の旧宮内大臣の別邸
「小田原文学館」本館は鉄筋コンクリート造3階建てのスペイン風のアンティックな趣ある建物で、昭和12年建築だそうです。
「旧土佐藩出身の政治家、田中光顕(たなか・みつあき 1843-1939)が別邸として建築したもの」とパンフレットに書かれています。
この田中光顕は、土佐勤王党に加わり坂本龍馬・中岡慎太郎たちと薩長同盟に尽力した人ということなのです。
谷崎潤一郎、三好達治などの自筆原稿が見られた
「小田原文学館」本館には、小田原で暮らした文学者たちの自筆原稿や、初版本、愛用品や写真などが陳列されています。
北村透谷、尾崎一雄、坂口安吾、谷崎潤一郎、岸田國士
牧野信一、北原武夫、三好達治、佐藤春夫 ほか
文豪の自筆原稿が見られるのは貴重です。
推敲原稿を見ることは、文豪の頭の中をのぞかせていただいているよう。
文豪はこの世にはいらっしゃいませんが、時を超えて、大文豪に教えをいただけるのです。
大変に勉強になり、見ていて飽きません。
「青空文庫」には、著作権の保護期間が切れた作品(パブリックドメイン)や、著者が許諾した作品が無料で公開されています。
アマゾンkindleや楽天koboにも再配布されています。
明治期から昭和初期の文豪の作品を無料で読むことができますよ!
作家の自筆原稿には赤ペンで編集者が見出しや改行などの指定を入れているものもありました。
いにしえの諸先輩方の情熱がほとばしっている展示に胸が熱くなります。
3階建ての洋風建築で、テラスルームにはソファなど置いてあります。
庭を眺めたり、ゆっくりすわって休憩もできますよ。
私が行ったときは、谷崎潤一郎や三好達治の自筆原稿が展示中でした。常設展の内容は、展示区画ごとに順次更新しているそうです。
展示内容は小田原文学館の公式サイトでご確認いただき、お出かけくださいませ。
別館「白秋童謡館」は近代和風建築。衝撃的な天才・北原白秋を知る!
小田原文学館別館「白秋童謡館」
趣あるスペイン風洋館「小田原文学館」を見学して、
中庭から裏の方に行くと、「白秋童謡館」があります。

こちらは木造2階建の懐かしさのある和風建築です。
田中光顕(1843~1939)の別邸として、大正13年(1924)頃に建てられたそうです。
北原白秋は「からたちの花」「この道」「ペチカ」など、童謡作家として有名です。
白秋は大正7年(1918)から15年(1926)にかけて小田原に住み、
この地で多くの作品を創作したそうです。
白秋の詞のインパクトに仰天した!
北原白秋といえば、「ペチカ」「からたちの花」「この道」などが有名です。 童謡作詞家さんのイメージしか持っていませんでした。
どちらかといえば柔らかい雰囲気の人だと、勝手に想像していたのです。
ですが、それは大違い。
その言葉の悪魔的レベルとでも言えそうなインパクトに、度肝を抜かれてしまいました!
「童謡集 トンボの眼玉」(北原白秋 大正8年)という本の復刻版が展示されていました。
今から100年以上前に出版されたとは思えない洗練されたブックデザイン、
美しい挿絵、
手に取ってみたくなる素敵な詩集です。
この本に収録されている「金魚」という詞のページが展示されていました。
金魚
母さん、母さん、
どこへ行いた。
紅かい金魚と遊あそびませう。
母さん、帰らぬ、
さびしいな。
金魚を一匹突き殺す。
まだまだ、帰らぬ、
くやしいな。
金魚を二匹締しめ殺す。
なぜなぜ、帰らぬ、
ひもじいな。
金魚を三匹捻ぢ殺す。
涙がこぼれる、
日は暮れる。
紅い金魚も死ぬ、死ぬ。
母さん怖こはいよ、
眼が光る、
ピカピカ、金魚の眼が光る。
最近では、「カチカチ山」などの昔話のエンディングも残酷だと変更されているようなのですが、「青空文庫」よりそのまま紹介させていただきました。
心の暗黒面を取り出して 誰にもマネできない言葉にする白秋さんは スゴイ!と、心底、衝撃を受けました。
波乱万丈、北原白秋の人生
北原白秋はもとはぼんぼん育ち、実家は豪商だったそうです。
詩歌に熱中、学校を落第して上京します。
しかし実家の酒造が全焼して家業が傾き、家族を東京に呼び寄せたのです。
そんなとき、白秋は隣家の人妻と熱愛。
姦通罪で告訴されます。
苦難の末結婚するも「貧乏生活は合わない」と妻は家を出て行ったそうです。
2番めの妻は、詩人だったそうです。
家計はますます困窮して、妻が胸の病気になり小田原に転居。
2番めの妻は白秋の家族と折り合いが悪くなり、行方をくらまし離婚。
3番めの妻と結婚して、穏やかな生活を送るようになったようです。
このような人生の艱難辛苦が、童謡に表現されているのだと思うと、
子ども向けの歌詞ということではなく、底が見えないほどの深さを感じます。
北原白秋の多くの作品も、「青空文庫」で公開されています。
kindleや楽天Koboなどでも無料で読むことができます。
「小田原文学館」「白秋童謡館」案内
「小田原文学館」「白秋童謡館」は小田原駅東口から徒歩約20分です。
小田原文学館(https://www.city.odawara.kanagawa.jp/public-i/facilities/literature-museum/bungakukan.html)をご紹介します。
開館時間 | 3月~10月 10:00~17:00 11月~2月 10:00~16:30 (入館は閉館時間の30分前まで) |
休 館 | 月曜日(休日の場合は翌平日) 年末年始、臨時休館日あり |
入館料 | 大人:250円 小・中学生:100円 |
住 所 | 小田原市南町2-3-4 |
<アクセス>
小田原駅東口から徒歩約20分
・バス
小田原駅から箱根方面行バス「箱根口」下車5分
回遊バスうめまる号「小田原文学館前」下車(土・日のみ)
「小田原文学館」の公式サイトで最新情報をご確認のうえ、お出かけくださいませ。
まとめ
小田原は歴史ある町です。
小田原城を中心とした歴史散策が楽しめます。
明治から昭和にかけては多くの政治家や軍人、文化人などが住んでいたので、その邸宅をめぐることもできます。
小田原は豊かな自然にかこまれています。
温暖な気候で海の幸や農産物も豊かです。
楽しめるところがたくさんありますよ!
帰り道に、住宅街にポツンとあるおしゃれなパン屋さん、
「レロア」https://g.co/kgs/mAuewqG に寄りました。
小田原文学館から歩いて3分くらいのところにあります。
デザイン性の高い建築でちょっと敷居が高いのでは?と思いましたが、
入ってみると、お値段がリーズナブルで驚きました。
コロネのクリームパンを2種類買いましたが、
サクサク生地のコロネにクリームがたっぷり。
大満足の絶品でした!
近くだったら、毎週通いたいパン屋さんです。
次回は豊臣秀吉が築城した石垣山一夜城址に行ってみたいと思っています。
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